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トップページ>>パオまるの小説>>魔剣伝承>>序文
序文
ぬくもりが欲しい。
思っていたことはいつもそればかりだった。
誰かの手が、体が、心が。
私はそればかり求め続けていた。
自由など欲しくはなかった。
ただ欲しかったのはぬくもりだけ。
どれだけ泣きそうなことがあっても。
ただあなたがいればそれでよかった。
そして今、あなたは私を抱きしめてくれている。
暖かい。
本当に暖かい。
それだけでわたしは幸せでいっぱいだった。
私はあなたに抱きしめられ、幸せの絶頂に到達して。
そしてゆっくりと、やわらかく瞼を閉じた。
大丈夫だよ。
例え一人ぼっちになってもさびしくなんてないよ。
目を閉じたら、そこにはきっとわたしがいるから。
たとえ二度と会えなくなっても。
あなたの瞼が覚えているから。
魔剣伝承 第二部
〜糸回したる呪いの運命〜
第四幕 鋼骨斬手 Steel Bone cut the Hand
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