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プロローグ


 横薙ぎに剣閃が繰り出された。
 それは疾風のようでもあり、死神の鎌のようでもある。
 無慈悲なるその一撃に応えるのは流麗なる弾丸。
 いや、それは弾丸を思わせるほどの速度で飛来する短刀だった。
 服の中から無限と思わせるほどの短刀が取り出され、まるでその両手が銃身であるかのように高速で短刀を投擲する。
 その短刀繰りは失敗する光景などというものを想像させない。
 だってそう、サーカスにいるような熟達のナイフ投げ師はハラハラさせながらも、的にナイフをはずしたりはしないのだ。
 それと同じ。
 長身の男の短刀繰りは、まさに曲芸を思わせた。




























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